「ひとり」

ひとりで街を歩くのが好きだ。


誰も僕を知らない街。
誰も僕が知らない街。
颯爽と歩く。
誰も僕を見ない。
僕は誰も見ない。


ふと手にしたケータイは
アクアブルーの光を放っていて。


メールが来ていた。
急に涙がこみ上げてきて。


あんなに一人になりたかったのに。
なのに。
涙がこみ上げてきた。
僕は一人じゃない。
僕は誰かとつながっている。


愛しくて。
ケータイを少しきつく握り締めた。