いとしの儚について考えを整理してみる

色々感想見て回ってます。
智佐さんが声優だからつられてオタもぞろぞろ…って感じが否めないのがあれでしたが。*1


鈴は儚を「売り飛ばした」のではないと思うんです。
「売り飛ばした」って表現には愛情が汲み取れない。
「守れなかった」の方が正しいんだと思います。
儚の夢を裏切ったというよりは、儚の夢に応えられる力がなかった。
鈴には博打しか才能がなくて、だからそれで稼いで生計を立てようと賭場へ行く。
だけども守るものがあっては博打には勝てない、という矛盾。
そもそも儚を寺に預けたのも、自身が鬼になったのも
「負けたから」で鈴にとっては不本意だった。
ならどういう風にすれば幸せになれたのかというと、
でも結局これが一番最良の選択だったのかなぁ、と。
鈴次郎と儚が出会ってしまった時点で
この運命(かそれより酷い運命)が待っていたんですね。
あらやだ、ロミオとジュリエット以上の悲恋。


なんか自分が泣けなかった言い訳を必死で探してるみたいだなぁ;
扉座版の初演では青鬼を六角さんがやっていたそうですね。貫禄ありそうだ。
勝平ちゃんの青鬼もすごくよかったですけど。崇史さん以外でおっ、て思った役者さん。
青鬼のガン見っぷりに最初はニヤニヤしてたんですが、
儚が鈴への愛を囁く所では目をそらしていて
その理由が終盤でわかった時にはものすごく切なくなりました。
ゾロ政役の草野徹さんも素敵でした。東京壱組、どこかで聞いた気が…と思ってたら
こんど大谷さんと共演するんですね。見に行こ。


青鬼は賽の河原で供養の塔を崩し続ける。
石を積む子供はやがて極楽へと連れて行かれるが、青鬼の仕事に際限はない。
そして青鬼となった鈴次郎は話を語ることで何回も何回も儚を失い続ける。*2
儚によって愛を知ってしまった鈴次郎は、知っていながら二度と手の届かない切なさを胸に
悪者にもなれないまま、永遠に中途半端で過ごして行く…。


うわ、考察し直すとスッゲェ切ねぇわ。(遅いんだっての

*1:松岡充目当てにタイタニック見に行ったお前が何を言うか

*2:そう解釈した感想を書いてた方がいらっしゃって納得したので使わせていただきました